東洋医学からみる和食

木から生まれる5つのエネルギー

西洋医学と東洋医学の違いを簡単に説明すると、西洋医学は症状のでた部分にフォーカスをあて、東洋医学は症状からみた体全体へのアプローチをしていきます。例えば、風邪をひいた際には、西洋医学では解熱剤などで熱を下げ、咳や鼻水などの症状を抑える薬を処方します。対して東洋医学ではまず体を温めて免疫力を高めます。日本では漢方や、鍼灸、気功などが東洋医学とされることが多く、そのベースの考えになるのが「陰陽五行」です。これは、世の中の全てのものを「陰と陽」に、さらにそれを、「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水(すい)」という5つのエネルギーに分けたものです。すくすく伸びていく「木」は、多くなりすぎると山火事となり「火」を生み、そして灰となり「土」になります。土は長い時を経て、鉱物つまり「金」になり、鉱脈には「水」が流れ、そして「木」を育てます。「五行」の「行」という字は、循環するという意味があり、これらの5つのエネルギーが循環することで全てのものが生成され自然界が構成されていると考えられています。体の内臓や各器官も、食材も全て5つに分けられ、5つのエネルギーの調和をとることで、心身の状態を調えていきます。

 

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和食も5つで出来ている

耳慣れない陰陽五行や5つのエネルギーと聞くと、難しく聞こえるかもしれませんが、和食、つまり日本料理は古くからこの陰陽五行の影響を受けており、五法、五味、五色を大切に扱います。

 

・五法(調理法)→蒸す、生、焼く、揚げる、煮る

・五味(味付け)→酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩辛い

・五色(色味)→青(緑)、赤、黄、白、黒

 

oriental001_02栄養学がない時代、この五法、五味、五色を組み合わせて、栄養のバランスをとっていました。また子どもの頃から、色んな調理法や味付け、食材の様々な色に触れさせてあげることで、バランスが調うだけでなく、五感への刺激が脳の活性化にも繋がります。

季節に合ったものをとり入れる

東洋医学の食に対する考えで「医食同源」という言葉があります。実はこの言葉は日本で生まれたものです。病気の予防は、普段の食事に気を付けることが大切だという考え方です。陰陽五行では、季節も5つに分けられ、それぞれの季節に適した色、味、調理法で、その季節を快適に過ごす知恵がつまっています。

 

季節 調理法 味覚 食材例
1、木のエネルギー 青(緑) 蒸す、茹でる 酸っぱい 梅干し、柑橘類など
2、火のエネルギー 生サラダ、マリネ、

炒める、揚げる、焼く

苦い ゴーヤ、ピーマンなど
3、土のエネルギー 晩夏 蒸す、煮る、茹でる 甘い 穀物、さつま芋、南瓜など
4、金のエネルギー 焼く、煮る 辛い 大根、ネギ、生姜など
5、水のエネルギー 煮込む、オーブン 塩辛い 海藻類、しじみ、味噌など

また、旬の野菜には、その季節に適した働きがあります。例えば、トマトやキュウリなどの夏野菜は、身体を冷やし、余分な水分を出してくれます。一方でニンジンやゴボウなどの冬野菜は体を温めます。旬の野菜は栄養価が高いだけでなく、その時期、体に必要な栄養や働きを与えてくれるため、積極的にとって欲しい食材です。例えば、夏のゴーヤチャンプルーは、旬のゴーヤを使い、夏の暑さをしのぐ苦味を用いた炒め料理で、夏に適しています。このように季節に合った旬の食材や味覚、調理法などをバランスよくとり入れることで、健康な身体づくりのベースとなります。このように東洋医学からみた和食には、季節を健やかに過ごすヒントがたくさん隠れています。