渡り鳥の楽園 宮城県・伊豆沼へ
「都市農村交流ツアー」リポート:1日目

平成27年11月22日~23日、農林水産省の共生対流事業の一環で、首都圏に住む人と自然豊かな農村の地域資源をつなぐ交流ツアーが実施されました。今回は、株式会社グローバルキッズの職員約20名が、新田の食、歴史、文化などを体験するモニターツアーに参加した様子をリポートします! 行き先はラムサール条約登録湿地「伊豆沼」がある宮城県登米市新田(にった)地区。日本一の渡り鳥の聖地として知られています。

「食の文化祭」へ向けて約6時間の旅!

出発は朝7時。東京駅近くの駐車場から観光バスに乗り込み、片道約6時間の長旅です。

上河内SAなどで休憩を挟みながら、東北自動車道をひたすら走りました。

ようやく仙台を過ぎ、築館インターチェンジを降りて東へ向かう頃には一向もおなかぺこぺこです。

 

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多くの来場者で賑わう「食の文化祭」

バスは田園地帯を走り、いよいよ伊豆沼へ。

窓の外には、内沼・伊豆沼の美しい風景が広がり、時折水辺や田畑で落ち穂をついばむ鴈や白鳥の姿に、思わず歓声があがります。

 

13時過ぎに最初の会場である新田公民館に到着。ここでまずは『食の文化祭』に参加します。

新田地区の料理を堪能

展示だけでなく、実際に食べて郷土料理の美味しさを感じることができる

『食の文化祭』は新田地区に残る郷土食・家庭料理の発表会。

登米市長をはじめ宮城県庁の職員も参加し、地元の方々が作った100種を超える家庭料理展示や、講演会、交流会が行われる、町をあげての一大イベントです。

豪華な「餅御膳」

まず、はらぺこの一行は昼食へ。町では特別な行事や、収穫の節目、大切なお客様が来たときにふるまわれる、貴重な「餅御膳」をいただきました。

初対面にもかかわらず、あたたかくもてなしてくださる新田の皆さんの心に包まれ、おなかもすっかり満たされたのでした。

食・生産者・自然への感謝と祈りの心を持つことの大切さを痛感

地域づくりプロデューサーの結城登美雄 先生

お腹いっぱいになった後は、結城登美雄 先生による講話です。

結城先生は町の皆さんとともに地域づくりプロデューサーとして活躍していらっしゃいます。

 

日本全国に残る食文化を、ご自身の足で歩いて研究し伝え続けている結城先生の話は、都会で消費するだけの私たちの心に深く響きます。

食への感謝、生産者への感謝そして自然への感謝・祈りの心を持つことの大切さを痛感しました。

雁が空を舞う壮大な風景に圧倒!

続いては、宿泊先の「ウェットランド交流館」にチェックインをしてから伊豆沼へ!

地元のNPOくりはらツーリズムネットワークさんのガイドのもと、真雁のねぐら入りを観察しました。

 

伊豆沼・内沼は、宮城県北部の平野にある自然湖沼です。面積は、491ha(伊豆沼369ha、内沼122ha)で県内最大ですが、水深は平均80cm、最大1.6mと浅いのが特徴です。沼の周辺には広大な水田が広がっており、沼の水が水源として利用されるとともに、洪水調整の役割も果たしています。

水深が浅いため、沼の中央部まで水生植物が繁茂しており、水生昆虫や魚類、鳥類など多種多様な生き物が生息しています。秋から冬に極東ロシアから渡ってくるガンやカモ、ハクチョウ類の貴重な越冬場所であることから、ラムサール条約の登録湿地として国内で2番目に指定されました。

 

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圧巻の雁のねぐら入り

ガンは夜間に沼で休息し、早朝に一斉に飛び立って周辺の水田に向かいます。伊豆沼・内沼のマガンが一斉に飛び立つ時の羽音と鳴き声は荘厳で、環境省の「残したい“日本の音風景100選”」にも選ばれています。

何万羽の雁が夕暮れの空に四方八方から雁行V字型の隊列で勇壮に空を舞い、水面すれすれにスピードダウンして着水する姿は圧巻!

皆が歓声をあげ、ここでしか見られない壮大な風景と自然の雄大な姿を目に焼き付けました。

 

1日目のしめくくり、夕食は伊豆沼農産の農場レストラン『くんぺる』へ。

本イベントの主催者である新田地区の皆さんや伊豆沼農産のスタッフの皆さんと、意見交換をしながら、地元の農家さんのお野菜と赤豚のお肉を贅沢に使った御膳をいただきました。

東京から来た私たち一行は、目にするものすべてが新鮮で、どこか懐かしく、あたたかく迎え入れてくださった新田の皆さんとの交流で、ふるさとに帰ってきたようなほっこりした気持ちになりました。

 

2日目のリポートはこちら

 

ツアーの様子を動画でも公開中!