お正月は家族そろって、おせちやお雑煮、お屠蘇など、日本の伝統料理をいただきます。一年のはじまりにいただくこれらの食事には、どのような願いや歴史があるのでしょうか。今回は、お正月料理に込められた意味をご紹介します。
地域・家庭によって味が異なる「お雑煮」
お雑煮は、お餅を、野菜や鶏肉、魚介などと一緒に煮込んだ料理。神棚から下ろしたお餅を年神様から分けてもらった「年魂(としだま)」になぞらえ、食べると生命力が与えられるとされています。
お雑煮は、地域によって食材や調理法に違いがあります。お父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんの出身地などによって、家庭ごとに異なるお雑煮が供されるのも楽しみのひとつです。
関東風 | しょうゆで味つけしたすまし汁に、焼いた角餅を入れる |
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関西風 | 白みそ仕立てで、丸餅を焼かずに入れて煮る |
お餅を食べさせる目安は、乳歯が生え揃った3歳ごろから。小さめに切り、「よく噛んで食べようね」と必ず声をかけてあげましょう。
「お屠蘇(とそ)」で邪気を払い、今年も家族で元気に!
「屠蘇(とそ)」という言葉には、邪気をはらい、魂を蘇らせるという意味があります。平安時代、漢方薬「屠蘇散」が入ったお酒をお正月に飲む習慣が中国より伝わりました。
お屠蘇は、若い人から順番に飲んで年上の人へと回していくことで、若い人のエネルギーがお年寄りまで移り、一年中家族が元気に暮らせると言われています。お子さんには、飲む真似だけをさせましょう。
古くから、日本の人々が家族の幸せや健康を願って食べているお正月料理。それぞれの料理の持つ意味をお子さんに伝えてあげれば、家族みんなでゆっくりと過ごすお正月がもっと特別なものになるはずです。みんなで仲良く分け合いながら、一年の幸せを願いましょう。